【技術・人文知識・国際業務】日本で働くためのビザ

2023年6月2日

この記事を読むとわかること!

✅ 在留資格『技術・人文知識・国際業務』の基礎知識や取得条件
✅ どのような仕事(業務)が該当するのか
✅ 学歴や実務経験とは

在留資格『技術・人文知識・国際業務』は、外国人が日本で働く場合に取得されることが最も多い在留資格であり、現在、この在留資格で約29万人(令和2年6月時点)が日本で働いております。在留資格『技術・人文知識・国際業務』について、千葉市林行政書士事務所が解説いたします。

不許可になる場合も多いみたいだけど、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得って難しいの?

許可要件や審査のポイントをきちんと理解して準備をすることが大切です。

在留資格『技術・人文知識・国際業務』を取得するためのポイント!

エンジニア

業務内容が学歴や経歴と関連がある

まず、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で行える業務について知る必要があります。
簡単に言うと、単純労働ではなく、ある程度の専門的知識が必要な職業(ホワイトカラー)で働くことができる在留資格です。

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(入管法別表第一の一の表の教授、芸術、報道の項に掲げる活動、二の表の経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、企業内転勤、介護、興行の項に掲げる活動を除く。)

出入国管理庁

「本邦の公私の機関との契約」
・本邦の公私の機関
通常の会社や国、地方公共団体、独立行政法人、公益法人などの法人、任意団体、個人事務所、日本に事務所などを置く外国の法人や国、地方公共団体などが該当します。
・契約
雇用のほか、委任、委託、嘱託などが含まれます。しかし、特定の機関との継続的なものであり、その活動が適法に継続して行われるものでなければなりません。

「理学、工学その他の自然科学の分野」
理学、工学、農学、医学、歯学、薬学などの理系分野です。(例)機械工学等の技術者

「法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野」
法律学、経済学、社会学、文学、哲学、教育学、心理学、史学、政治学、商学、経営学などの文系分野です。(例)マーケティング業務従事者

「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」
単に外国人であるだけではなく、日本国内の文化の中では育てられない思考または感受性に基づく一定水準以上の専門的能力を持って、その能力に従事するものであることが必要です。(例)通訳

これらの業務内容と、外国人の学歴や実務経験に関連がある必要があると言うことか。

そうです。しかし、大学卒などは関連性を柔軟に判断するので、関連性がないから無理だと思わずにご相談ください。

許可事例大学の工学部卒 ⇨ 技術開発業務
大学の法学部部 ⇨ 弁護士補助業務
大学の工学部 ⇨ コンサルティング業務
大学の経済学部 ⇨ システムエンジニア
ゲーム関連学科の専修学校卒 ⇨ ゲーム開発業務
美容科学科の専修学校卒 ⇨ 美容製品の商品開発業務
翻訳・通訳学科の専修学校卒 ⇨ 翻訳・通訳業務
不許可事例イラストレーション学科の専修学校卒 ⇨ 翻訳・通訳業務
ジュエリーデザイン学科の専修学校卒 ⇨ 翻訳・通訳業務

学歴または一定期間の実務経験がある

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得には、学歴または実務経験が必要です。

申請人が次のいずれにも該当していること。ただし,申請人が,外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和六十一年法律第六十六号)第五十八条の二に規定する国際仲裁事件の手続についての代理に係る業務に従事しようとする場合は,この限りでない。

一 申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は,従事しようとする業務について,次のいずれかに該当し,これに必要な技術又は知識を修得していること。ただし,申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で,法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは,この限りでない。
当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し,又はこれと同等以上の教育を受けたこと。
当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)したこと。
十年以上の実務経験(大学,高等専門学校,高等学校,中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)を有すること。

二 申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は,次のいずれにも該当していること。
イ 翻訳,通訳,語学の指導,広報,宣伝又は海外取引業務,服飾若しくは室内装飾に係るデザイン,商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
ロ 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし,大学を卒業した者が翻訳,通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は,この限りでない。

三 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

出入国管理庁

「当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。」
働く業務に関連した科目を専攻して、大学を卒業またはそれと同等以上の教育を受けている必要があります。なお、大学などの学歴の場合には、従事しようとする業務との関連性は柔軟に判断されます。

・大学
日本または海外の大学を卒業している(学位:学士)。

・短期大学(短大)
日本または海外の短期大学を卒業している(学位:短期大学士)。

・高等専門学校(高専)
日本または海外の高等専門学校を卒業している(学位:高度専門士)。

「当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校を修了したこと。」
働く業務に関連した科目を専攻して、日本の専修学校を卒業している必要があります。なお、専門士の学位の場合には、従事しようとする業務との関連性は相当程度の関連性を必要とします。

・専修学校(専門学校)
日本の専修学校を卒業している(学位:専門士)。

「十年以上の実務経験を有すること。」
理系または文系の業務に就く場合には、実務経験が10年必要になります。

「三年以上の実務経験を有すること。」
外国の文化に基盤を有するような業務の場合には実務経験が3年必要です。

学歴や実務経験はどのように証明するの?

学歴の場合は卒業証明書や成績証明書を学校から出してもらいます。実務経験の場合には経歴証明書などを働いていた会社などから出してもらう必要があります。

日本人と同等以上の報酬(給与)がある

通勤手当や扶養手当、住宅手当等は含みません。

素行不良でない

申請者に前科があったり、資格外活動許可のオーバーワークなどがあると許可されない場合があります。

会社側に問題がない

申請書側に問題がなくても、雇用する会社側に問題があると許可されません。

例えば、以前に不法労働や虚偽の申請を行なっていた場合や、外国人を雇用する必要性がない場合などです。

『技・人・国』と他の在留資格との関係

申請人が行おうとする活動が、「技術・人文知識・国際業務」に関連する活動であっても、その活動が「教授」「芸術」「宗教」「報道」「経営・管理」「法律・会計事務」「医療」「研究」「教育」「企業内転勤」「介護」「興行」のいずれかにかかる活動に該当する場合には、これらの在留資格を決定します。

いかがでしたでしょうか。上記以外にも例外的な扱いも多いので、自分で申請するのが心配な方はお気軽にご相談ください。


CAUTION!

最新、正確な情報の提供を心がけておりますが、制度や運用方針の変更がございますので、手続きをされる前に必ず手続き先に最新情報をご確認いただきますようお願いいたします。